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MCP対応ツール一覧【2026年最新版】— エンタープライズで使えるMCPサーバー完全カタログ

MCP(Model Context Protocol)に対応する主要ツールをカテゴリ別に一覧化。Google Calendar、Slack、GitHub、Salesforce、kintone等のMCPサーバーの機能・認証方式・エンタープライズ適性を網羅的に解説します。

読了 8分|峻 福地

MCPとは何か — AIエージェントの「接続標準」

MCP(Model Context Protocol)は、AIエージェントが外部ツールやデータソースと安全に接続するためのオープンプロトコルです。homulaのAgensは、MCPを活用したエンタープライズ向け統合プラットフォームとして、200以上のツールとの接続を構築ゼロで実現します。

Anthropicが2024年末に公開したMCPは、2025年を通じて爆発的に普及しました。GitHubの公式リポジトリは78,000以上のスターを獲得し、PulseMCPのディレクトリには8,200以上のMCPサーバーが登録されています。OpenAIがChatGPTのDeveloper ModeでMCPを正式サポートし、MicrosoftもGitHub CopilotにMCPを統合したことで、MCPはAIエージェント開発における事実上の業界標準となりました。

しかし、数千のMCPサーバーが乱立する現在、エンタープライズ企業にとっての課題は「どのMCPサーバーを、どの基準で選定するか」に移っています。本記事では、業務システム連携の観点から主要なMCPサーバーをカテゴリ別に整理し、エンタープライズでの選定基準を明確にします。

カテゴリ別 MCP対応ツール一覧

コミュニケーション・コラボレーション

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
SlackSlack公式(パイロット中)メッセージ検索・送信、Canvas操作、ユーザー情報取得OAuth 2.0
Gmailコミュニティ(GongRzhe氏)メール送受信、検索、ラベル操作、添付ファイル対応OAuth 2.0 + AutoAuth
Chatworkコミュニティルーム一覧、メッセージ送信、タスク作成APIトークン
LINE WORKSコミュニティ(開発中)メッセージング機能の一部APIトークン

スケジュール・プロジェクト管理

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
Google CalendarGoogle Workspace MCP(コミュニティ)イベントCRUD、空き時間検索、複数カレンダー管理OAuth 2.1
NotionNotion公式ページ・DB操作、横断検索、コメント管理(15種以上のツール)OAuth 2.0
Garoonサイボウズ公式スケジュール管理、施設予約、掲示板参照APIトークン
Atlassian(Jira/Confluence)Atlassian公式Issue管理、ページ参照、ワークフロー操作OAuth 2.0

ソースコード・開発ツール

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
GitHubGitHub公式リポジトリ操作、Issue/PR管理、Actions連携、セキュリティアラートOAuth 2.0 / PAT
GitLabコミュニティリポジトリ管理、MR操作、CI/CDパイプラインPAT
Azure DevOpsMicrosoft公式リポジトリ・パイプライン・ボード操作OAuth 2.0

CRM・営業支援

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
SalesforceSalesforce公式DX操作、メタデプロイ、テスト実行、Hosted MCP(Beta)OAuth 2.0
SansanZapier経由名刺情報検索、企業情報照会、商談履歴取得APIトークン
HubSpotコミュニティコンタクト・Deal管理、メール送信APIキー

データベース

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
PostgreSQLCrystalDBA(Postgres MCP Pro)クエリ実行、インデックス解析、EXPLAIN分析、セーフモード接続文字列
MongoDBMongoDB公式データベース操作、クエリ実行、スキーマ管理接続文字列
MySQLコミュニティ / CData読み取り専用クエリ、スキーマ参照接続文字列 / JDBC
SupabaseSupabase公式DB操作、SQL実行、マイグレーション、Edge FunctionsAPIキー

クラウド・インフラストラクチャ

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
AWSAWS公式ドキュメント検索、リソース操作、Bedrock連携IAM
AzureMicrosoft公式全Azureサービスの統合操作、AKS管理OAuth 2.0 / Managed Identity
CloudflareCloudflare公式Workers管理、KV/R2操作、DNS設定APIトークン
Google Cloudコミュニティ / GoogleCloud Run、BigQuery、Vertex AI連携サービスアカウント

日本企業向けツール

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
kintoneサイボウズ公式レコードCRUD、アプリ設定取得、ファイル操作APIトークン
freeeコミュニティ(freeeエンジニア)会計・人事労務APIの操作OAuth 2.0 + PKCE
SmartHRコミュニティ(SmartHR関係者)従業員・組織データの取得・更新APIキー
SAPSAP公式(Beta)BTPデータクエリ、Fiori/CAP開発支援OAuth 2.0△(成熟待ち)

ドキュメント・ナレッジ管理

ツール名提供元主な機能認証方式エンタープライズ適性
Google Drive / Sheetsコミュニティ(Google Workspace MCP)ファイル検索・参照、スプレッドシート読み書き、書式設定OAuth 2.1
FigmaFigma公式レイヤー構造・スタイル情報の取得、Design-to-CodeOAuth 2.0

エンタープライズ適性の評価基準: ◎ = 公式提供かつ本番運用実績あり / ○ = 動作するが認証・ガバナンス面で追加検討が必要 / △ = 実験段階または機能限定

主要MCPサーバーの詳細解説

Slack × MCP — インシデント対応からレポート生成まで

Slack MCPサーバーは現在パートナーベータ段階だが、メッセージ検索・送信・Canvas操作・ユーザー情報取得など7〜8種類のツールを提供する。エンタープライズ利用では、Slack Enterprise Grid管理者がOAuth 2.0でワークスペースへの接続を承認する形式となる見込みで、DLP(機密情報の投稿防止)やBot権限の最小化が設計上の焦点となる。

→ 詳細記事: Slack × MCPで業務通知・ワークフローを自動化する方法

GitHub × MCP — PRレビューからリリースノート自動生成まで

GitHub公式MCPサーバーは数十種類のツールを搭載し、リポジトリ操作、Issue/PR管理、Actions連携、セキュリティアラート取得、ディスカッション管理まで網羅する。GitHubがクラウド上でホストしており、https://api.githubcopilot.com/mcp/ にOAuth認可で接続するだけで利用可能。GitHub Enterprise Serverへの対応やコード内容のLLM送信に関するセキュリティポリシー策定が、エンタープライズ導入時の主要検討事項となる。

→ 詳細記事: GitHub × MCPでコードレビュー・開発ワークフローを自動化する方法

Google Calendar × MCP — 会議準備の自動化から商談設定まで

Google Calendar単体のMCPサーバーは個人開発者による実装が中心だが、2025年後半に登場したGoogle Workspace MCPサーバー(コミュニティ提供)がCalendar・Gmail・Drive・Sheetsを包括的にカバーしている。OAuth 2.1対応で複数ユーザー運用が可能で、Dockerイメージも提供されている。エンタープライズではGoogle Workspace管理者承認フローとカレンダーデータのPII(個人識別情報)管理が重要となる。

→ 詳細記事: Google Calendar × MCPでスケジュール管理を自動化する方法

Salesforce × MCP — CRMデータのAI活用基盤

Salesforce公式MCPサーバーは20以上のツールを提供し、DX操作(Scratch Org管理、メタデプロイ、Apexテスト)に対応する。2026年2月にはSalesforce Hosted MCP Servers(Beta)がパイロット公開され、CRMオブジェクトへの直接アクセスが可能なマネージドMCPサーバーも登場した。Agentforceとの統合も計画されており、エンタープライズCRMのAI活用における最重要プラットフォームの一つとなりつつある。

kintone × MCP — 国産SaaSのAIエージェント連携

サイボウズがOSS(Apache 2.0ライセンス)で公開したkintone公式MCPサーバーは、レコードの全CRUD操作、アプリ設定の取得・変更、ファイル操作に対応する。日本製SaaSとしては最も早く公式対応した事例であり、Claude Desktopからkintoneデータを自然言語で操作できる。同じくサイボウズが提供するGaroon MCPサーバーと組み合わせることで、スケジュール管理と業務データの統合的なAI活用が実現する。

PostgreSQL × MCP — データベース管理のAI支援

CrystalDBA社が開発したPostgres MCP Proは、単なるクエリ実行に留まらない。インデックス健全性分析、クエリプランのEXPLAIN解析、セーフモードSQL実行(読み取り専用やDDL禁止の制御)など10種類以上の管理系アクションを備える。公式Dockerイメージ(crystaldba/postgres-mcp)が提供されており、本番DBへのAIアクセスにおける安全性が重視された設計となっている。

MCP対応ツールの選定基準

MCPサーバーは「接続できる」だけでは選定基準として不十分です。エンタープライズ環境では、以下の5つの軸で評価することを推奨します。

1. 認証方式の堅牢性

OAuth 2.1 + PKCEに対応したMCPサーバーを優先する。APIキーのみの認証方式では、トークンの漏洩リスクや権限の粒度制御に課題が残る。2025年11月のMCP仕様アップデートでOAuth 2.1が標準に組み込まれており、企業のIdP(Identity Provider)との統合が容易になっている。

2. メンテナンス状況と提供元の信頼性

GitHubのコミット頻度、Issue対応速度、提供元が公式かコミュニティかを確認する。公式提供(GitHub、Notion、Salesforce等)はサポート継続性が高い一方、コミュニティ実装は特定の開発者への依存リスクがある。週単位でアップデートされているサーバーと、半年以上更新が止まっているサーバーでは、本番運用の安心感が大きく異なる。

3. Rate Limitとスケーラビリティ

MCPサーバーが接続するAPI側のRate Limitを事前に確認する。たとえば、Slack APIは1秒あたり1リクエスト(Tier 1)から50リクエスト以上(Tier 4)まで段階的な制限があり、エージェントの実行頻度に直接影響する。GitHub APIもPAT認証では1時間あたり5,000リクエストが上限となる。業務要件に対してAPI側の制約が十分かを検証すべきである。

4. デプロイ方式(ローカル vs リモート)

ローカル(stdio)型はセットアップが容易だが、単一クライアント限定で運用のスケールが難しい。リモート(StreamableHTTP)型はHTTPS経由で複数クライアントから接続可能で、Docker/Kubernetes上でのスケーリングや冗長化にも対応する。エンタープライズ用途では、2025年後半以降の標準であるStreamableHTTP方式を前提に設計すべきである。

5. ツールアノテーションとセキュリティ制御

2025年11月のMCP仕様で導入されたTool Annotations(ツールの補助メタデータ)により、各ツールの動作特性(読み取り専用か、副作用があるか等)をメタ情報として宣言できるようになった。エンタープライズでは、この情報を活用してHuman-in-the-loop(人間承認)の要否を自動判定する運用が一般化しつつある。

MCPに対応していないツールへの対処

「MCPサーバーが存在しないツールはAIエージェントと接続できないのか」という疑問は頻出する。結論から言えば、REST APIを持つサービスであれば、カスタムMCPサーバーを構築することで接続は可能である。

MCPサーバーの実装はTypeScript SDK・Python SDKの両方で提供されており、Python SDKのFastMCPクラスを使えば数十行のコードでサーバーを立ち上げられる。社内の独自APIやレガシーシステムとの接続においても、JSON-RPC 2.0ベースのプロトコルに準拠したラッパーを構築する手法が確立されている。

→ 詳細記事: MCPサーバーの構築方法:設計から本番デプロイまで【実践ガイド】

また、CData Connect AIのようなデータ統合基盤を介することで、JDBC/OData対応の既存データソース(OBIC等の国産ERPを含む)をMCPインターフェースで接続する方法もある。

エンタープライズ導入時のセキュリティ上の注意点

MCPの本番運用において、従来のAPI連携とは異なるAI固有のリスクに対処する必要がある。

ツールポイズニングは、悪意あるコンテキストをツール経由でモデルに注入し、不正なアクションを実行させる攻撃手法である。対策として、MCPサーバー側でのインプットバリデーション強化と、ツール実行前の意図宣言(Intent Declaration)を組み込むべきである。

プロンプトインジェクションの波及は、外部ソースから取得したデータに含まれる悪意あるプロンプトがエージェントに指示として誤認されるリスクを指す。サンドボックス化された実行環境と、最小特権の原則に基づくパーミッションスコーピングが2026年のベストプラクティスとして定着している。

権限管理の設計では、エージェントが個人のアクセストークンで操作する際にアクセス範囲が拡大するリスクに注意する。MCPサーバー側で操作可能なスコープを明示的に制限し、書き込み操作にはHuman-in-the-loopを挟む設計が推奨される。

⚠️

初期のPostgreSQL MCPサーバー(Anthropic提供のシンプル版)にSQLインジェクション脆弱性が報告され、現在は非推奨となっています。Postgres MCP Pro等のセキュアな実装への移行が推奨されます。MCPサーバーの選定においては、セキュリティ面での実績確認を必ず行ってください。

MCPエコシステムの今後 — A2AプロトコルとMCPの補完関係

MCPが「AIエージェントとツールの接続」を標準化するプロトコルであるのに対し、Google Cloud主導で策定が進むA2A(Agent-to-Agent Protocol)は「AIエージェント同士の連携」を標準化する。MCPが垂直方向の能力拡張であれば、A2Aは水平方向の組織化であり、両者は相補的な関係にある。

エンタープライズAIの将来像は、MCP経由で業務ツールに接続した個別エージェントが、A2Aを介して協調動作する「分散型インテリジェンス・ネットワーク」に向かっている。2026年は、この両プロトコルを基盤とした設計が本格化する年となる。

よくある質問

MCPに対応していないツールは接続できないのか?

REST APIを持つサービスであれば、カスタムMCPサーバーを構築することで接続可能です。Python SDKのFastMCPを使えば数十行で実装でき、CData Connect AIのような統合基盤を経由する方法もあります。homulaでは、社内システムやレガシーDB向けのカスタムMCPサーバー構築も支援しています。

自社の社内システムもMCP接続できるか?

社内APIやオンプレミスのデータベースも、MCPサーバーを自社構築することで接続可能です。TypeScript SDKまたはPython SDKを使用し、JSON-RPC 2.0ベースのラッパーを実装します。認証・認可は企業のIdPとOAuth 2.1で統合するのが標準的なアプローチです。

MCPのセキュリティは大丈夫か?

MCP自体はプロトコル仕様であり、セキュリティはMCPサーバーの実装品質と運用設計に依存します。2025年11月の仕様アップデートでOAuth 2.1が標準化され、Tool Annotationsによる動作特性の宣言も可能になりました。ただし、ツールポイズニングやプロンプトインジェクションといったAI固有のリスクに対しては、サンドボックス化・最小特権・Human-in-the-loopを組み合わせた多層防御が不可欠です。

まとめ — MCPツール選定はアーキテクチャ設計である

MCPサーバーの選定は、単なるツールの比較検討ではない。認証方式、デプロイ戦略、セキュリティガバナンス、スケーラビリティを含む包括的なアーキテクチャ設計の一部として捉えるべきである。

homulaは、エンタープライズ企業向けにAIエージェントの戦略策定・PoC・実装・運用・内製化までを一気通貫で支援するAIインテグレーターです。累計調達3.2億円の資金基盤を持ち、n8n・Dify・LangGraph等のオーケストレーション基盤とMCPを組み合わせた、ベンダーニュートラルな技術選定を強みとしています。

MCP基盤の設計・導入支援や、既存システムのMCPサーバー化について、具体的なアーキテクチャ相談を受け付けています。


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