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比較・選定

n8n vs Google Workspace Studio vs Dify:AIワークフローツール選定ガイド【2026年版】

n8n・Google Workspace Studio・Difyの3大AIワークフローツールを、アーキテクチャ・連携性・ガバナンスなど8軸で比較。エンタープライズ導入に最適な組み合わせ戦略を、現場の知見に基づき解説します。

読了 15分|峻 福地

2026年のAIワークフロー市場は「三国志」の様相

homulaは、エンタープライズ企業向けにAIエージェントの戦略策定・PoC・実装・運用・内製化までを一気通貫で支援するAIインテグレーターです。累計調達3.2億円の資金を背景に、n8n・Dify・LangGraphなどのオーケストレーション基盤をベンダーニュートラルに使い分けています。

2025年後半、GoogleがWorkspace Studioを正式ローンチしたことで、エンタープライズ向けAIワークフローツールの勢力図が大きく動きました。従来のn8n対Difyの二項対立に、Googleエコシステムの巨大な影響力が加わり、ツール選定の判断はより複雑になっています。

本記事では、この3つのプラットフォームをエンタープライズの実務視点から徹底比較し、「自社にとって何が最適か」を判断するためのフレームワークを提供します。

比較の前提:評価軸の定義

単なる機能一覧の比較は、ツール選定の意思決定には不十分です。homulaが200以上のエンタープライズ案件で得た経験から、以下の8つの評価軸を設定します。

  1. 設計思想・アーキテクチャ:ツールの本質的な強み
  2. AI/LLM対応力:エージェント構築の柔軟性
  3. 外部連携の広さと深さ:既存システムとの統合性
  4. トリガー・イベント対応:自動化の起点の多様性
  5. セルフホスト・データ主権:オンプレミス対応とデータ所在地
  6. ガバナンス・全社展開性:環境分離・権限管理・監査
  7. コスト構造:初期費用と運用コストの予測性
  8. エコシステム・将来性:コミュニティの活性度と拡張の方向性

3プラットフォームの基本プロファイル

n8n:ワークフロー自動化のオープンソース王者

ドイツ発のオープンソースプラットフォーム。iPaaSとして500以上のネイティブ連携を持ち、2024年以降はAIエージェント機能を急速に拡充。v2.0でMCP対応・マルチエージェント・Model Selectorを搭載し、「ワークフロー自動化 × AIエージェント」の統合基盤として確固たる地位を築いています。月間アクティブユーザーは750万人を超えています。

Google Workspace Studio:Googleエコシステムの自動化レイヤー

Google Workspaceとネイティブに統合された自動化プラットフォーム。Gmail・Google Drive・Calendar・Sheetsとの連携がシームレスで、Geminiとの統合によりAI機能も急速に強化されています。Google Cloudの既存顧客にとっては追加コストなしで利用開始できる点が大きな魅力です。

Dify:LLMアプリケーション開発の特化型基盤

LLMを中心としたAIアプリケーション開発に特化。RAGシステムやチャットボットの構築において、プロンプト管理・モデル切り替え・ナレッジベース管理のUIが充実しています。対話型AIアプリの迅速なプロトタイピングでは依然として高い生産性を誇ります。

8軸の詳細比較

1. 設計思想・アーキテクチャ

観点n8nGoogle Workspace StudioDify
設計思想汎用ワークフロー自動化Googleエコシステム自動化LLMアプリ開発
データフローパイプライン型(直列・並列)イベント駆動型LLM中心の放射型
拡張性カスタムノード・npmGoogle Apps Scriptプラグイン・API
MCP対応◎ v2.0でネイティブ対応△ 限定的△ 実験的

2. AI/LLM対応力

n8nはv2.0でAIエージェント機能を大幅に強化しました。マルチエージェント構成(AI Agent Toolノード)、動的なLLM切り替え(Model Selector)、MCP対応により、複雑なAIエージェントシステムをノーコードで構築できます。

Google Workspace StudioはGeminiとの統合が強みですが、LLMの選択はGoogle提供モデルに限定される傾向があります。ベンダーニュートラルなLLM選定が求められるエンタープライズでは、この点が制約になり得ます。

Difyは引き続きLLMアプリ開発の使い勝手で優位性を持ちますが、「LLMの外側」の業務プロセス自動化は苦手分野です。

3. 外部連携の広さと深さ

連携カテゴリn8nGoogle Workspace StudioDify
SaaS連携数500以上Google系中心+一部サードパーティLLMプロバイダ中心
基幹系(SAP等)◎ HTTPノード+カスタム△ 限定的×
データベース直接接続◎ PostgreSQL/MySQL/MongoDB等△ BigQuery中心
MCP経由の拡張◎ MCP Client/Server

4. セルフホスト・データ主権

エンタープライズにとって、データの所在地と制御権は非機能要件の最重要項目です。

n8nはDocker/Kubernetes上でのセルフホストに完全対応しており、データを自社インフラ内に完全保持できます。Difyも同様にDocker対応ですが、エンタープライズ向けの運用機能ではn8nに劣ります。

Google Workspace Studioは基本的にGoogleクラウド上での稼働が前提です。データ所在地のリージョン指定はGoogle Cloudの設定に依存し、オンプレミスでの完全な自社管理は困難です。金融・医療・官公庁など、厳格なデータ主権要件がある業界では、この点が導入障壁になります。

5. ガバナンス・全社展開性

機能n8n EnterpriseGoogle Workspace StudioDify Enterprise
環境分離(Dev/Stg/Prod)
RBAC(ロールベースアクセス制御)○(Google Workspace Admin)
監査ログ○(Google Admin Console)
承認フロー×
SSO/SAML◎(Google Identity)

6. コスト構造

n8nはワークフロー実行数ベースの定額制を基本とし、コスト予測が立てやすい構造です。セルフホストの場合はOSS版を無料で利用でき、エンタープライズ機能のみ有償となります。

Google Workspace StudioはGoogle Workspaceライセンスに包含される部分と、APIコール・Gemini利用に応じた従量課金が混在します。既存のGoogle Workspaceユーザーにとっては初期導入コストが低い反面、スケール時のコスト増加が読みにくい側面があります。

Difyは API呼出回数とユーザー数に基づく従量制です。PoC段階ではコストが低く抑えられますが、全社展開時には急激なコスト増加に注意が必要です。

ユースケース別の推奨マトリクス

ユースケース推奨理由
複数SaaSをまたぐ業務プロセス自動化n8n500以上の連携と柔軟なワークフロー設計
Google Workspace内の定型業務自動化Google Workspace Studioネイティブ統合による低い導入障壁
社内ナレッジRAGチャットボットDifyRAG構築のUI・プロンプト管理が充実
AIエージェントによる高度な業務自動化n8nMCP対応・マルチエージェント・Model Selector
セキュリティ要件の厳しい業界n8n(セルフホスト)データの完全自社管理が可能
Microsoft + Google混在環境n8nベンダー中立で両エコシステムに接続可能

homulaの推奨アプローチ:コンポーザブル戦略

homulaは「コンポーザブルAIアーキテクト」として、単一ツールの選定ではなく、要件に応じた最適な組み合わせを設計します。

典型的な組み合わせパターンは以下の通りです。

パターンA:n8n中心のハイブリッド構成

  • n8nを業務自動化のバックボーンとし、Difyで対話型フロントエンドを構築
  • AgensのMCPハブで200以上のツール接続を構築ゼロで実現
  • 対象:マルチベンダー環境のエンタープライズ

パターンB:Google中心+n8n補完

  • Google Workspace Studio でGoogle環境内の自動化を実施
  • Google外のシステム(SAP、Salesforce等)との連携はn8nが担当
  • 対象:Google Workspaceが全社標準の企業

パターンC:段階的拡張

  • Phase 1:Difyで対話型AIアプリのPoCを実施(1-2週間)
  • Phase 2:n8nで業務フローの自動化を本格構築(1-2ヶ月)
  • Phase 3:AgensのMCPハブで全社展開基盤を整備
  • 対象:段階的にAI投資を拡大したい企業

いずれのパターンでも、homulaは5日間のブートキャンプで動くプロトタイプとROI試算を提供し、意思決定のスピードを加速させます。


AIワークフローツールの選定・組み合わせ設計でお悩みの方は、homulaの無料相談をご活用ください。ベンダーニュートラルな立場で、御社に最適なアーキテクチャを提案します。

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株式会社homula(ホムラ)は、2019年創業・累計調達3.2億円のAIインテグレーターです。n8n・Dify・LangGraphを活用したAIエージェント導入支援を専門とし、戦略策定からPoC(最短5日)、本番実装、運用・内製化までを一気通貫で提供しています。