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エンタープライズ導入実践 — 1/2

PoCプレイブック — 5日で動くプロトタイプを作る方法

homulaが多数のエンタープライズ支援で確立した5日間PoCメソッドの全フローを公開します。 Day 1のOpportunity Gap診断からDay 5のROI報告・本番導入プラン提示まで、 「PoC止まり」を回避するために設計された実践プレイブックです。

homulaのPoCプレイブックとは、エンタープライズ企業がAIエージェント導入の 意思決定を5日間で完結させるための体系的メソッドです。 LLM-Native FDE(Forward Deployed Engineer)1名が戦略策定から実装まで 一気通貫で担当し、従来1〜3ヶ月かかるPoCを5日間に圧縮します。 成果物には動くプロトタイプ、ROI試算書、本番導入の3オプションが含まれます。

読了目安 12分最終更新: 2026年2月

なぜ5日間なのか — 従来型PoCの構造的問題

従来のAI PoCは平均1〜3ヶ月かかり、その間に「検証疲れ」が発生します。 homulaの5日間メソッドは、3つの構造的改革によってこの問題を解決します。

ハンドオフ排除

従来は「コンサルが設計 → 別チームが実装」で2〜4週間のロスが発生。 FDE 1名が戦略〜実装を一気通貫で担当し、 コンテキストロスをゼロにします。

ガバナンス先行設計

セキュリティ・ガバナンス要件をDay 1から組み込むことで、 本番移行時の「情シスからの差し戻し」を事前に防止。 PoCと本番の断絶を解消します。

スコープ強制絞り込み

5日間の時間制約がスコープを自動的に絞り込みます。 「1ユースケース × 1ワークフロー」に集中し、 「あれもこれも」による検証の長期化を防ぎます。

5日間PoCフロー — Day 1からDay 5まで

各日のゴール・アクティビティ・成果物を詳解します。 このフローは多数の支援案件で改良を重ねたhomulaの標準メソッドです。

Day 1

Opportunity Gap診断

課題の本質を特定し、投資対効果の仮説を立てる

アクティビティ

  • 現場ヒアリング(業務観察 + 担当者インタビュー)
  • 業務棚卸し — 全タスクを「頻度 × 所要時間 × エラー率」でマッピング
  • Opportunity Gap分析 — 現状と理想のギャップを金額換算
  • AI成熟度アセスメント(5段階評価)
  • 自動化候補の優先順位付け(効果 × 実現可能性マトリクス)

成果物

業務課題整理書 + Opportunity Gap定量レポート

Key Insight

「何を自動化するか」ではなく「何を自動化しないか」を決めることが最重要。最初の1件は「必ず成功する案件」を選ぶ。

Day 2

アーキテクチャ設計

ベンダーニュートラルな技術選定で最適構成を設計

アクティビティ

  • 3層アーキテクチャ設計(LLM / オーケストレーション / 接続基盤)
  • 技術選定マトリクスによる比較評価(n8n vs Dify vs LangGraph)
  • データソースのアクセス経路設計(MCP / API / Direct DB)
  • セキュリティ・ガバナンス要件の洗い出し(Day 1から組み込み)
  • 開発環境セットアップ + データ接続テスト

成果物

技術選定・アーキテクチャ推奨書

Key Insight

特定ツールに縛られない「コンポーザブル」な設計が鍵。本番移行時のセキュリティ要件を最初から考慮することで「PoC止まり」を防ぐ。

Day 3

プロトタイプ構築

実データで動くプロトタイプを構築する

アクティビティ

  • コアワークフローの実装(メインの業務フロー)
  • 実データの投入と動作検証
  • 例外処理・エラーハンドリングの基本実装
  • Human-in-the-Loop(承認フロー)の設計
  • MCP接続による外部ツール連携

成果物

動くプロトタイプ(実データ稼働)

Key Insight

FDE 1名が戦略〜実装を一気通貫で担当するから5日で完結する。従来の「コンサルが設計 → 別チームが実装」のハンドオフロスが発生しない。

Day 4

効果測定・検証

Before/Afterを定量的に計測し、仮説を検証する

アクティビティ

  • 処理時間のBefore/After計測
  • エラー率・品質指標の比較
  • ユーザビリティテスト(現場担当者による操作検証)
  • エッジケース・例外パターンの洗い出し
  • 運用負荷の見積もり(監視・メンテナンス・バージョンアップ)

成果物

効果測定レポート(Before/After定量比較)

Key Insight

導入前のベースライン計測がないと「何がどう改善されたか」を経営層に説明できない。Day 1のOpportunity Gap診断がここで効いてくる。

Day 5

ROI報告・本番導入プラン

経営層が意思決定できる材料を揃える

アクティビティ

  • ROIシミュレーション(投資回収期間・年間削減額・3年NPV)
  • 本番導入プランの3オプション提示(段階的拡張モデル)
  • ガバナンス・セキュリティロードマップ
  • Conversion Creditの適用条件説明
  • 経営層向けプレゼンテーション

成果物

ROI試算書 + 本番導入提案書(3オプション)

Key Insight

「やるかやらないか」ではなく「どのオプションで進めるか」を問う設計。意思決定のハードルを下げる。

Opportunity Gap診断フレームワーク

Day 1で実施するOpportunity Gap診断の4つの分析軸です。 現状と理想のギャップを金額換算することで、 経営層が投資判断できるROIの根拠データを構築します。

処理時間

計測指標

1件あたりの所要時間

具体例

請求書処理: 現状15分/件 → 目標2分/件

ギャップ

年間2,080時間(FTE換算 1.0名分)の機会損失

エラー率

計測指標

手作業によるミス発生頻度

具体例

データ入力エラー: 5% → 目標0.5%未満

ギャップ

エラー修正コスト年間480万円 + 顧客信頼毀損リスク

スループット

計測指標

単位時間あたりの処理件数

具体例

審査処理: 1日50件 → 目標200件

ギャップ

処理待ち案件の滞留による機会損失 年間1,200万円

属人性

計測指標

特定担当者への依存度

具体例

ナレッジ保有者2名のみ → 10名以上が対応可能

ギャップ

退職・休職時の業務停止リスク(BCP観点)

「PoC止まり」5大原因と対策

homulaが観察した「PoCで終わる企業」に共通する5つのパターン。 5日間メソッドはこれらを構造的に回避する設計になっています。

セキュリティ後回し

PoCフェーズではセキュリティを考慮せず、本番移行時に情シスから差し戻し。

対策: Day 1からガバナンス要件を設計に組み込む。RBAC/ABAC、監査ログ、閉域網対応を最初から考慮。

ベースライン不在

導入前の計測がないため「効果があったのか」を証明できず、予算承認が下りない。

対策: Opportunity Gap診断で導入前の機会損失を定量化。Before/Afterを同一指標で比較可能にする。

スコープ肥大

「せっかくだからあれもこれも」でスコープが膨張し、いつまでもPoCが終わらない。

対策: 5日間の制約がスコープを強制的に絞り込む。「1ユースケース × 1ワークフロー」に集中。

ハンドオフロス

コンサルの設計書を別チームが解釈し直して実装。意図が伝わらず品質が低下。

対策: FDE 1名が戦略〜実装を一気通貫で担当。コンテキストロスが発生しない。

出口戦略なし

「PoCとして良い結果」で終わり、本番化の判断基準・スケジュール・予算が不明。

対策: Day 5に本番導入の3オプションを提示。30日以内のConversion Creditで意思決定を促進。

5つの成果物 — すべてお持ち帰り可能

1

業務課題整理・AI導入戦略書

業務棚卸し結果、Opportunity Gap分析、優先順位付けマトリクスを含む戦略ドキュメント。

2

技術選定・アーキテクチャ推奨書

3層アーキテクチャ設計図、技術選定の根拠、セキュリティ・ガバナンス設計の基本方針。

3

動くプロトタイプ

実データで稼働するAIエージェント。ソースコード・設定ファイル一式をお渡し。

4

効果測定レポート

処理時間・エラー率・工数のBefore/After定量比較。ベースラインと改善率を数値で提示。

5

本番導入提案書(3オプション)

ROIシミュレーション、段階的導入プラン、ガバナンスロードマップ、推奨スケジュール。

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PoCプレイブック — 5日で動くプロトタイプを作る方法

5日間PoCメソッドの全フロー。Opportunity Gap診断からROI報告まで。

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CoE構築ガイド — AI活用を組織に根付かせる

Center of Excellenceの組織設計・人材配置・KPI設計。全社標準化への道筋。

よくある質問

FDE(Forward Deployed Engineer)1名が戦略〜実装を一気通貫で担当するため、従来のPoC(1〜3ヶ月)を大幅に短縮できます。ただし、事前にデータソースへのアクセス権確保と主要ステークホルダーの参加調整が必要です。開始前1〜2週間の準備期間を設けます。

省人化型(定型業務の自動化)、知識拡張型(ナレッジ検索・審査支援)、顧客接点型(問い合わせ対応・営業支援)、予測最適化型(在庫管理・需要予測)の4類型に分類し、最も効果の高い1件を選定します。初回は「必ず成功する案件」を選ぶのが鉄則です。

実データでの検証を前提としています。セキュリティ要件に応じて、オンプレミス環境やVPC内でのプロトタイプ構築にも対応可能です。データの準備要件は事前チェックリストでお伝えします。

成果物(戦略書・プロトタイプ・レポート等)はすべてお持ち帰り可能です。ブートキャンプ単体でも価値が完結する設計です。30日以内の本契約でConversion Creditが適用されますが、義務ではありません。

現状の業務プロセスと理想状態のギャップを金額換算するフレームワークです。処理時間・エラー率・スループット・属人性の4軸で分析し、AIエージェント導入による改善インパクトを定量的に提示します。ROI試算の根拠データとなります。

投資規模・スピード・スコープの異なる3つの導入シナリオを提示します。例えば、Option A: 最小構成で1部門から開始(2ヶ月)、Option B: ガバナンス込みで2部門展開(4ヶ月)、Option C: 全社展開+CoE立上げ(6ヶ月)のように段階的な拡張モデルを設計します。

5日間ブートキャンプを体験する

本ガイドで解説したPoCメソッドは、homulaのAIエージェント・ブートキャンプとして提供しています。 まずは30分の無料相談で、貴社の業務課題に最適なアプローチをご提案します。