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オーケストレーション選定ガイドVol.2 / 2

オーケストレーション比較マトリクスn8n vs Dify vs LangGraph

オーケストレーション比較マトリクスとは、AIエージェントの実行基盤となるツール群を、エンタープライズ導入で重要な4軸(セキュリティ・拡張性・運用コスト・開発体験)で体系的に評価するフレームワークです。homulaは、400社超のAI導入支援で培った実践知見から、n8n・Dify・LangGraphそれぞれのエンタープライズ向け特性を深掘りし、業務要件に応じた選定基準を提供しています。

10分で読める対象: CTO・テックリード・DX推進部門最終更新: 2026年2月

Summary Matrix

4軸+3ツール サマリーマトリクス

◎ = 優れている / ○ = 対応可能 / △ = 条件付き・工夫が必要 / × = 非対応

評価軸n8nDifyLangGraph
セキュリティ
拡張性
運用コスト
開発体験
非エンジニア利用×
複雑なAI推論
エンタープライズ成熟度

Axis 1

セキュリティ

n8n
セルフホスト(Docker/K8s)で閉域網完全対応
SOC 2 Type II / ISO 27001 認証
SAML/OIDC SSO、RBAC、外部Vault連携
監査ログ365日保持+外部送信
Dify
セルフホスト対応(Docker)
RBAC対応(Enterprise版)
SSO はEnterprise版で提供
監査ログ機能は限定的
LangGraph
完全セルフホスト(Pythonライブラリ)
LangSmith でトレース・監査対応
認証・権限は自社実装で完全制御
データが外部に出ない設計が可能

Axis 2

拡張性

n8n
400+組込みノード + 600+コミュニティノード
カスタムノードをTypeScriptで開発可能
MCP対応でAIエージェントからの呼び出し可能
Webhook/Queue Mode でイベント駆動
Dify
カスタムツール(OpenAPI仕様)で拡張
プラグインエコシステム(成長中)
RAGパイプラインの拡張性は高い
外部SaaS連携はAPI個別実装が必要
LangGraph
Python/TSエコシステムの全ライブラリ利用可
カスタムノード・エッジの完全自由設計
サブグラフによるモジュラー設計
LangChainツール群との統合

Axis 3

運用コスト

n8n
実行数ベース課金(ステップ数無関係)
Community版は無料(セルフホスト)
Enterprise: カスタム価格
Zapier比で最大95%のコスト削減事例あり
Dify
Community版は無料(セルフホスト)
Cloud版は入力トークンベース課金
LLM APIコストは別途発生
小〜中規模でのコスパが高い
LangGraph
ライブラリ自体は無料(MIT License)
LangGraph Platform: 使用量ベース課金
開発工数(Python/TS実装)が最も大きい
運用にはMLOpsエンジニアが必須

Axis 4

開発体験

n8n
ビジュアルエディタで非エンジニアも操作可能
テンプレート600+で高速立上げ
Codeノードで柔軟なカスタマイズ
学習コスト: 低(ノーコード〜ローコード)
Dify
ドラッグ&ドロップでLLMアプリ構築
プロンプトのA/Bテスト機能
RAGパイプラインの構築体験が優秀
学習コスト: 最低(完全ノーコード)
LangGraph
Python/TypeScriptによるフルコード開発
LangGraph Studioでビジュアルデバッグ
ステートマシンの概念理解が必要
学習コスト: 高(エンジニア専用)

Recommendation Patterns

業務要件別の推奨パターン

「どのツールが最適か」は業務要件次第です。以下の4つの典型的シナリオに対し、homulaが400社超の支援実績から導出した推奨パターンを示します。

SaaS間連携・定型業務の全社自動化

推奨: n8n

400+の組込みノードでSaaS連携をカバー。ビジュアルエディタにより非エンジニアでもワークフロー構築が可能。セルフホストで閉域網対応。

RAG特化のLLMアプリを迅速にプロトタイプ

推奨: Dify

RAGパイプラインのGUI構築・プロンプトA/Bテストが強み。PoC段階やシンプルなチャットボット構築ではDifyの開発速度が最も高い。

複雑なマルチエージェント・自律型AI

推奨: LangGraph

条件分岐・ループ・Human-in-the-Loopを含む複雑なエージェントグラフを完全制御。Pythonエコシステムとの統合で高度なML処理も可能。

エンタープライズ全社基盤(複数ユースケース並行)

推奨: n8n + LangGraph 併用

定型業務の自動化はn8n、高度なAI推論フローはLangGraphが担当。n8nがLangGraphを呼び出すアーキテクチャで両者の強みを最大化。

Hybrid Architecture

併用アーキテクチャの設計

エンタープライズ全社基盤では、3ツールの併用が現実解となるケースが増えています。以下は、homulaが推奨するレイヤード・アーキテクチャです。MCPまたはAgensを接続基盤として使うことで、認証情報・監査ログを一元管理し、ツール間の疎結合を維持します。

1

ユーザーインターフェース層

Slack / Teams / Webフォーム / メール

2

オーケストレーション層(n8n)

トリガー受信 → ルーティング → SaaS連携 → 結果通知

3

AI推論層(LangGraph)

複雑な推論 → マルチエージェント → Human-in-the-Loop

4

プロトタイプ/RAG層(Dify)

社内ナレッジQA → プロンプト管理 → A/Bテスト

5

接続基盤(MCP / Agens)

認証情報一元管理 → ツール定義標準化 → 監査ログ集約

homulaの「コンポーザブルAIアーキテクト」アプローチ

homulaは特定ツールに縛られず、要件に応じて最適な技術を組み合わせます。n8nをメインのオーケストレーション基盤としつつ、LangGraphで高度なAI推論を、Difyで迅速なプロトタイピングを実現する「コンポーザブル」な設計を推奨しています。接続基盤にはMCPまたは自社プロダクトAgensを活用し、全社のAIエージェントを統合管理します。

Decision Framework

選定フローチャート — 3つの質問で最適解を絞る

以下の3つの質問に答えることで、自社に最適なオーケストレーションツールの候補を絞り込めます。

Q1: 主な利用者はエンジニアですか?

YES

LangGraphが候補に入る

NO

n8nまたはDify(ノーコード/ローコード)を優先

Q2: 主な用途はSaaS間連携・業務自動化ですか?

YES

n8n が最適解(400+ノード、全社展開向き)

NO

LLMアプリ構築が主目的 → Q3へ

Q3: 複雑な条件分岐・ループ・マルチエージェントが必要ですか?

YES

LangGraph(完全制御)+ n8n(トリガー/通知)の併用

NO

Dify でRAGチャットボットを高速プロトタイプ

オーケストレーション選定ガイド — 関連記事

n8n エンタープライズ導入ガイド

セルフホスト環境構築からCoE立上げ、全社展開までの実践ロードマップ

オーケストレーション比較マトリクス — n8n vs Dify vs LangGraph

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セキュリティ・拡張性・運用コスト・開発体験の4軸で比較

よくある質問

組織の技術力と用途によって異なります。IT部門主導でSaaS連携の自動化を始めたい場合はn8n、AI/MLチームが複雑なエージェントを構築したい場合はLangGraph、RAGチャットボットを素早くプロトタイプしたい場合はDifyが最適です。homulaでは要件ヒアリングを通じて、お客様の組織体制と業務要件に最適なツール選定をサポートしています。

n8nは汎用的なワークフロー自動化プラットフォームで、400+のSaaS連携ノードを持ちAPI連携や業務自動化が強みです。一方Difyは、LLMアプリケーションの構築に特化したプラットフォームで、RAGパイプラインの構築やプロンプト管理に優れています。簡潔に言えば、n8nは「業務自動化のスイスアーミーナイフ」、Difyは「LLMアプリの専門工房」です。

LangGraphはPython/TypeScriptのコーディングが前提であり、非エンジニアが直接操作するには不向きです。ただし、LangGraph Studio(ビジュアルデバッグツール)の登場により、エンジニアが構築したグラフの可視化・モニタリングは非エンジニアでも可能になっています。非エンジニアの利用者が多い場合は、n8nやDifyをフロントに配置し、裏側でLangGraphを呼び出すアーキテクチャが推奨されます。

現実的です。ただし「全社で3ツールを均等に使う」のではなく、メインのオーケストレーション基盤(多くの場合n8n)を定め、特定用途でDifyやLangGraphを組み合わせるアーキテクチャが推奨されます。MCPやAgensを接続基盤として使えば、認証情報や監査ログの一元管理も可能です。homulaでは併用パターンの設計から運用ガバナンスまで一気通貫で支援しています。

homulaは3ツールすべての導入支援を行っています。特定ツールに縛られない「コンポーザブルAIアーキテクト」として、お客様の要件に応じて最適な技術を組み合わせます。n8n導入支援では環境構築からCoE立上げまで、LangGraphではカスタムエージェント開発、Difyではプロトタイピング支援を提供しています。

自社に最適なオーケストレーション基盤を選定しませんか

homulaでは、お客様の業務要件・技術スタック・セキュリティポリシーをヒアリングした上で、n8n・Dify・LangGraphの最適な組み合わせと導入ロードマップを無料でご提案しています。まずは30分の相談から始めましょう。